初詣の歴史の起源を探っていくと、どうやら話は平安時代前後にまでさかのぼるようです。
控えめに言っても大昔ですが、もちろん今のように深夜でも街頭が光っていたり、電車が走っているわけではありませんから今とはすこしばかりやり方は違ったようです。
例えば、江戸時代の頃は「年ごもり」という名でその行事のことは呼ばれていて、人々は何をしていたかというと、家に閉じこもっていたのです。
お正月には欠かせないおせち料理が、そもそも元旦から数日間は料理をしなくても済むように、メニューと量に気を配っていたという話を聞いたことがある人もいるでしょう。
もちろん元旦付近の日は身体を休めようという意味もあったのでしょうが、「家にこもり、外に出ない」という意味も、そこには含まれていたのでした。
人々は静かに、家の中でお祈りをしたり、あくまでも静かに子供たちを遊ばせたり、微笑み合ったりしていたわけです。
そんな長い歴史を持つ初詣の中で、やはり祈りの内容として大きかったのは「開運」であると言われています。
ここで言う開運とは、自分個人のことではなく、例えば家族や村などといったもう少し大きな共同体の運を祈ることだったのです。
「家族が息災に1年過ごすことが出来ますように」
「今年は作物をたくさん収穫できる豊作の年になりますように」
そういったお祈りが行われていたわけです。